焦げたにおいで害獣撃退 農家からヒント、廃液使い環境にもやさしく

山火事のような焦げのにおいがするガーデストPRO。購入すると敦賀さん手作りの仕掛け用容器(右側)もついてくる=千葉県大網白里市で
山火事のような焦げのにおいがするガーデストPRO。購入すると敦賀さん手作りの仕掛け用容器(右側)もついてくる=千葉県大網白里市で

 イノシシやシカ、ハクビシンなど農作物を荒らす害獣を、「焦げ」のにおいで撃退する。千葉県の企業「Office try」は木材チップを燃料とするバイオマス発電の廃液を有効活用した液剤「ガーデスト PRO」(税込み3300円、500ミリリットル)で注目を集めている。

 代表の敦賀智行さん(57)は元々、リゾートホテルの会員権を売る営業マンだった。2018年2月に仕事を辞め、「次に何をやろうか」と考えていた時、知人が害獣対策に取り組んでいることを知った。その際、ふと思い出した光景がある。イノシシが芝を掘り返し、ぐちゃぐちゃに荒れたリゾートのゴルフ場だ。元々害獣への問題意識を持っており、対策の考案に没頭することになった。

 電気柵や金網を設置しても乗り越えてくる害獣に、多くの生産者が悩まされ続けていた。その中で「田植えの後に稲を燃やすと、野生動物は嫌がる」という知人の農家の言葉をヒントに「焦げ」のにおいに目を付けた。半年間、調査、研究を重ね、バイオマス発電によって排出される廃液の処理に悩む県外企業にたどり着いた。

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