藤本は88年に弟子入りし、翌89年4月に宮さん作曲の「今更別れはないでしょう」でデビュー。現在は津軽三味線演奏者として、大阪市北区の天満天神繁昌亭に出演している。
「『女のみち』を僕流で歌おうか、うちの師匠っぽく歌おうか迷っています。僕流で歌っても襲名する意味がないと言われるので部分的に師匠の歌い方で歌いたい」
宮さんのDNAを引き継ぐ藤本が、平成の終わりに昭和の歴史的名曲に息を吹き込む。
★ぴんから兄弟
1963年に宮五郎さん、宮史郎さんの兄弟と並木ひろしさんの3人で音曲漫才「ぴんからトリオ」として結成。72年に「女のみち」が325万枚の大ヒット。続く「女のねがい」も170万枚、「女のゆめ」も80万枚とヒットし、本格的な歌謡コーラスグループに。73年に並木さんが脱退し、「ぴんから兄弟」に改名。83年に解散して史郎さんはソロ歌手として活躍した。五郎さんは94年、並木さんは98年、史郎さんは2012年に死去。