山陽、九州新幹線が直通運転し、大阪から鹿児島まで乗り換えなしで行けるようになって12日で1年を迎える。関西―九州間の旅客は大幅に伸び、17日のダイヤ改定で運行本数も増える。JR西日本は訪日外国人や若者をターゲットに、注目が集まる格安航空会社(LCC)に対抗する。
今月4日、JR新大阪駅の1階フロアは、旅行会社のツアーに向かう客でごった返していた。
京都府城陽市の武田幸子さん(70)は、阪急交通社が主催した南九州を巡る3日間の旅に、夫婦で参加した。「新しい新幹線に乗ってみたくて」。午前8時2分発の貸し切り臨時列車「さくら」に乗り込んだ。
貸し切り列車は鉄道会社から旅行会社に企画を持ち込むのがふつうだが、九州新幹線の場合、旅行会社からの要望を受けて走らせている。JR西はこれまで上下計14本を運行した。
「今までにないことで驚いた。関西のお客さんに、九州は魅力的な旅先だった」とJR西の室博・営業本部次長は言う。