わたらせ渓谷鉄道、「土木遺産」に認定 開業時の施設現存
群馬県桐生市の桐生駅と栃木県日光市の間藤駅間44キロを結ぶわたらせ渓谷鉄道(群馬県みどり市)が、公益社団法人土木学会が選ぶ2016年度土木遺産に認定された。わたらせ渓谷鉄道は足尾銅山の鉱石輸送を目的に設立された旧足尾鉄道が起源。当時建設された橋梁やトンネル、木造駅舎の多くが修復を重ねながら現役で使用されていることなどが評価された。
旧足尾鉄道は1912年に全線が開通。路線はその後、旧国鉄足尾線を経て89年から群馬県などが出資する第三セクターのわたらせ渓谷鉄道として営業を続けている。同社の樺沢豊社長は「地域の貴重な資産が再認識されるきっかけになれば」と期待を示す。
認定を記念して12月3日、土木遺産を見学するモニターツアーを実施する。貸し切り列車が主要な土木遺産の近くで徐行し、学芸員が解説する。希望者は同社に事前に申し込む。
土木遺産の認定は歴史的価値がある土木構造物の保存や活用を目的に00年から実施しており、県内では12件目。