出光・昭和シェル統合

村上世彰氏、出光創業家との合意は「大きな意味」 昭和シェル石油との経営統合で

投資家の村上世彰氏(提供写真)
投資家の村上世彰氏(提供写真)

 石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油の経営統合をめぐり、出光創業家の相談相手となった投資家の村上世彰氏が産経新聞の取材に応じた。創業家の資産管理会社で大株主の日章興産などは一定の条件付きで統合に賛同することで出光と合意したが、村上氏は「大株主との合意は、臨時株主総会での(統合の)決議に向けて大きな意味のあるものだ」と強調した。

 村上氏は昨年秋に創業家と親しい財界人から創業家への助言を依頼され、会うようになった。出光株を1%弱持つが、「部外者としてではなく株主目線で誠実に関わろう」と考え、今年初めに取得したという。

 2月ごろからは出光経営陣とも接触。一時は没交渉となっていた創業家と経営陣の橋渡しを担った。「統合が進展した際に会社として創業家の理念を入れ込んでもらうこと、出光が上場企業としてすべての株主に対する株主価値向上のために何ができるかを議論してきた。どちらの点でも、会社側と創業家に賛同をいただけたのではないかと考えている」と振り返った。

 村上氏は出光と昭シェルの統合のめどがついたことについて「日本のエネルギーの安定供給に大きく寄与するもので大変喜ばしい」と評価。その上で「出光の一株主として、統合後も株主と会社が適切な関係を持ち、株主や従業員、ビジネスパートナー、顧客のためにコーポレートガバナンス(企業統治)にのっとった上場企業であり続けることを期待する」とした。

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