イオン、全都道府県に出店 「なし県」福井にSC開業
イオンリテールは30日、2024年夏に福井市にショッピングセンター(SC)「そよら福井開発」を開業すると発表した。イオンは福井では前身の「ジャスコ」が閉店し、全国で唯一の「イオンなし県」として知られ、イオンのSCは福井県初出店となる。核テナントとしてスーパーの「イオンスタイル」が入るほか、カフェや衣料品などの専門店も入る計画だ。
JR福井駅から約2キロメートルの場所にある「ラニイ福井貨物」(福井市)の本社跡地で開業する。店舗面積は約5200平方メートル。30〜40代の共働き家族を主な顧客層に設定し、スーパーやドラッグストア、クリニックなどが入る日常使いの施設を目指すという。
「そよら」は若い家族層を照準に、生活密着型の専門店をそろえ、買い物が1カ所で済むようにした都市型SCだ。「イオンモール」などと比べて小型で商圏が小さい。三大都市圏や政令指定都市を中心に出店を増やしている。北陸信越地方で初めての出店となる。
福井「ジャスコ」閉店で全国唯一の空白県
福井県にイオン系列のSCが出店するのは約20年ぶりとなる。前身のジャスコからイオンとなってからは今回が初出店となる。ジャスコ時代に地元の商業組合とSCを共同運営していたが03年に閉店した。その後は地元の反対などで出店ができていなかった。21年にイオングループのスーパー「マックスバリュ」が進出し、現在6店舗を構えるが、大型SCの出店はなかった。
活性化に期待も
福井県の大型商業施設としては、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)傘下のユニーのスーパー「アピタ」や「ピアゴ」、そごう・西武の「西武福井店」(福井市)、滋賀地盤の平和堂の総合スーパー「アル・プラザ」などがある。北陸新幹線の敦賀延伸を24年3月に控えており観光活性化などに期待がかかる。
(佐藤優衣)