完了しました
【上海=南部さやか】新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が続く中国上海市(人口約2500万人)で、食料の配給が滞り、住民による抗議が頻発している。厳しい移動制限や隔離を伴う「ゼロコロナ政策」が背景にあり、医師らからは政策の緩和を求める声が公然と上がっている。
台湾紙・自由時報(電子版)によれば、市南西部の松江区で8日夜、住民らが食料を求めて屋外で抗議する騒ぎがあった。制圧しようとする警官が威嚇発砲したとの情報があるという。
中国のSNSには、感染者の隔離施設で食料や物資を奪い合う様子や、集合住宅地で「ご飯を食べたい」と大声で叫ぶ住民らの動画の投稿が相次いでいる。封鎖開始から1週間以上たっても食料の配給がない人も多い。上海市副市長は9日の記者会見で「全力で改める」と謝罪した。
ゼロコロナ政策の見直しを求める声は強まるばかりだ。上海で確認された感染者は専用施設に隔離されるが、9割以上は無症状だ。市内の感染症専門医は8日、医療関連のインターネットサイトで「古い方法で新しい問題を解決することはできない」とし、無症状の人は自宅隔離に切り替えるよう主張した。
1
2