河井案里氏

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、今年2月に有罪が確定し当選無効となった河井案里元参院議員(47)に対し、広島高検が元公設秘書=有罪が確定=との連座制適用を求めた行政訴訟で、同選挙区での立候補を5年間禁じる広島高裁判決が8日午前0時、確定した。案里氏側は7日の期限までに上告しなかった。

 公選法違反罪に問われた案里氏は、東京地裁の有罪判決確定で26年2月まで公民権が停止され、どの選挙も立候補や投票が禁止された。今回の連座訴訟の判決確定で公民権回復後も約4カ月間、参院広島選挙区に限り立候補できない。

 連座訴訟は、案里氏陣営の車上運動員への違法報酬事件で公選法違反罪に問われた元公設第2秘書立道浩氏(55)の有罪確定を受け、高検が昨年12月に提訴した。判決では、立道氏が連座制の対象になる「組織的選挙運動管理者」に当たると認定。案里氏側が答弁書や準備書面を提出しなかったことを挙げ、検察側の請求について争わず「自白したとみなす」と指摘した。

 案里氏は連座訴訟について、今年2月3日の議員辞職時に出したコメントで「候補者として政治責任を取るべきだと判断し、争わない」と表明。案里氏と代理人は4月23日の第1回口頭弁論、5月21日の判決言い渡し期日にいずれも出廷しなかった。

 大規模買収事件を巡っては、広島県内の地方議員や後援会員ら100人に計2901万円を渡したとして公選法違反罪に問われた案里氏の夫で元法相の克行被告(58)の公判が5月18日、東京地裁で結審。検察側は懲役4年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は今月18日に言い渡される。