ベネズエラ大統領再選、国際社会から非難強まる 米国は追加制裁

ベネズエラ大統領再選、国際社会から非難強まる 米国は追加制裁
 5月21日、20日に実施されたベネズエラ大統領選で、現職の反米左翼ニコラス・マドゥロ氏(写真中央)が再選を決めたと選挙管理委員会が発表したことを受け、マドゥロ氏に対する国際社会の非難があらためて強まっている。写真はカラカスで20日撮影(2018年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)
[カラカス/ワシントン 21日 ロイター] - 20日実施されたベネズエラ大統領選で、現職の反米左翼ニコラス・マドゥロ氏が再選を決めたと選挙管理委員会が発表したことを受け、マドゥロ氏に対する国際社会の非難があらためて強まっている。
トランプ米大統領はベネズエラに新たな経済制裁を課す大統領令に署名した。石油などのベネズエラ資産に絡む売掛債権取引への米国人の関与を禁止する。[nL3N1SS4RN]
マドゥロ氏は再選を「帝国主義」に対する勝利だと宣言。しかし、対立陣営は投票に不正があったとして、選挙は無効だと主張している。[nL3N1SS1NN]
ベネズエラの主要野党は最も人気の高い指導者2人が立候補を禁じられ、選挙をボイコットした。
ペンス副大統領は選挙について「恥ずべきものだ。自由でも公正でもない」と述べた。
トランプ大統領はホワイトハウスを通じた声明でマドゥロ氏に対し「民主主義を回復し、自由で公正な選挙を実施し、政治犯を全員直ちに無条件で釈放し、抑圧と国民からの経済的略奪をやめる」ことを求めた。
ベネズエラのアレアサ外相は、制裁は「残忍、狂気の沙汰で明確な国際法違反だ」と主張した。
大統領令は米国民と居住者のみを対象としているが、米政府高官はベネズエラに対する新たな信用供与についてトランプ政権と中国・ロシアとの間でかなり厳しいやりとりがあったと明らかにした。
マドゥロ政権はロシアと中国から支援を受けており、両国は過去数年間で数十億ドルを提供した。
中国外務省の陸慷報道官はベネズエラが内政問題に対処できると考えているとし、国民の決定を尊重すべきとの見解を示した。
欧州連合(EU)や主要中南米諸国は大統領選の前から、選挙が公平に行われていないと警告していた。
チリのピニェラ大統領は「ベネズエラの大統領選は真の民主主義の最低基準も満たさない」と批判。「他の主要な民主主義国と同様に、チリはこの選挙を認めない」と述べた。
パナマ政府も同様の見解を示し、選挙結果を受け入れない姿勢を示した。
一方、左派政権のキューバとエルサルバドルは祝意を表明した。
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