米大統領、バイトダンスに「TikTok」売却を正式命令
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は14日、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、米国の動画投稿アプリ事業「TikTok(ティックトック)」を売却するよう命令した。従来は9月15日までに米国企業へ売却するよう求めてきたが、法律に基づき正式に要求した。
大統領令によると、バイトダンスが17年に米動画サービス「ミュージカリー」を買収して米国市場に参入したことで「米国の安全保障を損なう行動を取る可能性がある」と判断した。90日以内の売却を求めたが、トランプ氏は9月15日までに売却しなければ米国で取引を禁じると迫っている。
売却先の企業について米政府から事前の了解を取るよう命じた。トランプ氏は中国政府への情報流出を防ぐため米国企業による買収を条件としており、米マイクロソフトが名乗りを上げている。
米大統領は、安全保障の観点で対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告に基づき、M&A(合併・買収)の阻止や事業売却を命じる権限を持つ。
トランプ氏の命令は、ホテルの顧客情報の管理ソフトを手掛ける米国企業を売却するよう3月に中国企業に命じて以来。米議会調査局によると、今回で4件目となる。
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