山中教授の一番弟子 京大の高橋講師が米研究所へ武者修行 

京都大から米グラッドストーン研究所に拠点を移した高橋和利氏(京大iPS細胞研究所提供)
京都大から米グラッドストーン研究所に拠点を移した高橋和利氏(京大iPS細胞研究所提供)

 山中伸弥・京都大教授(53)の一番弟子として人工多能性幹細胞(iPS細胞)の発見を支えた京大iPS細胞研究所の高橋和利講師(37)が、研究の拠点を米グラッドストーン研究所に移したことが24日、関係者への取材でわかった。高橋氏は、「自分の手で実験することに没頭できる環境に身を置くため」としている。

 山中教授も約20年前、グラッドストーン研究所に留学した経験があり、現在も研究室を置いている。高橋氏は今回、京大に籍を残したまま留学しており、関係者は「海外での研究の経験を積む武者修行のようなもの」と話している。

 高橋氏などによると、今年4月から米カリフォルニア州にあるグラッドストーン研究所で、山中チームの研究員として勤務。ほとんどの時間を現地ですごしているという。

 高橋氏は「環境を変えたことが、今の自分にとってプラスになっている。新しいことにも挑戦したい」としている。

 高橋氏は、山中教授が奈良先端科学技術大学院大に在籍していた駆け出し時代から研究員を務め、初めてiPS細胞の作製に成功した実験も担当。平成21年から京大講師を務めていた。京大へ戻る時期は決まっていないという。

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