岩手・釜石、全市民3万人の個人情報漏洩 市が2職員告訴
岩手県釜石市は26日、住民基本台帳のデータを業務に関係なく職員間でメールでやりとりし、全市民3万人超の個人情報を漏洩したとして、いずれも40代の総務企画部の女性係長と建設部の男性主査の2人を、住民基本台帳法違反容疑で岩手県警に告訴したと発表した。告訴は11日付。市は26日付で2人を懲戒免職にした。
係長は市民の保育料滞納情報などの個人情報を他の職員に漏らしていたことが分かった。市は2人以外に関与した職員がいるとみて調査する。
市によると、2人は少なくとも2015年以降、21回にわたり住民基本台帳や業務用の名簿などを持ち出した。係長は「特に目的はなく情報収集をしていた」、主査は「係長に協力した」と説明しているという。
係長は住民基本台帳を閲覧できる立場になかったが、主査には権限があったため依頼。氏名や住所、生年月日などをメールで送らせた。
また、主査は住民基本台帳のデータを私物のUSBメモリーに保存し持ち帰った。「業務の資料を作成した」と話しているという。
昨年9月、市に「係長が業務で知り得た情報を口外している」という匿名の通報があり発覚した。市の調査に対し、係長は外部流出は否定している。係長と主査は個人的に付き合いがあった。
記者会見した野田武則市長は「深くおわびする。市役所全体で情報管理に対する認識の甘さがあった」と謝罪した。〔共同〕