独シーメンスと加ボンバルディア、鉄道事業統合か 米報道
【フランクフルト=深尾幸生】鉄道車両世界大手の独シーメンスとカナダのボンバルディアが鉄道関連事業の統合を検討していることが11日、明らかになった。米ブルームバーグが関係者の話として報じた。統合後の事業価値は100億ユーロ(約1兆1700億円)以上になる可能性がある。両社は中国中車に次ぐ世界2位グループ。統合が実現すればグローバル展開している企業では圧倒的な首位に立つ。
ブルームバーグによると、統合するのは車両製造部門と信号部門。今年に入り交渉が始まり、夏までに終える可能性があるという。独禁法当局の承認が得られるかどうかは見通せない。
世界の鉄道車両市場は中国国内専門からの脱却をめざす中国中車が売り上げ首位。そのあとに「世界3強」と呼ばれるシーメンスとボンバルディア、仏アルストムが続く。「3強」は海外市場を開拓する中国中車や日立製作所などの攻勢を受けていた。
欧州鉄道産業連盟によると、鉄道車両や部品、サービスなどを合わせた世界の鉄道市場は2017~19年の年間平均で1760億ユーロにのぼる。