民主党役員会は13日、菅内閣への不信任決議案の採決に欠席した衆院議員15人のうち、13人の処分案を決めた。小沢一郎元代表や田中真紀子元外相ら8人を党員資格停止3カ月、初めて造反した当選1回の5人を常任幹事会による厳重注意とした。欠席の理由として医師の診断書を提出した2人は処分を見送った。
岡田克也幹事長ら執行部は当初、「ポスト菅」を選ぶ代表選で小沢氏の影響力をそぐため、小沢氏本人を除籍(除名)とし、その他の欠席議員全員を代表選の投票権を失う党員資格停止にする方針だった。しかし小沢氏に近い輿石東参院議員会長らが猛反発したため15人を一律に党員資格停止1年とする案で再調整。それでも反対論は収まらず、今回の「大甘処分」に落ち着いた。厳重注意の5人は代表選で投票できる。
岡田氏ら執行部には「脱小沢」路線を主導してきた菅直人首相の退陣を契機に党内融和路線に転換する狙いもある。岡田氏や仙谷由人官房副長官らは小沢氏のグループに比較的抵抗の少ない野田佳彦財務相を「ポスト菅」に擁立して党内をまとめる方向で調整しており、「代表選に向け、小沢氏系議員を刺激するのを避けた」(党幹部)形だ。
処分は14日の常任幹事会で正式決定する。小沢氏は「政治とカネ」の問題で強制起訴された際に「裁判終了までの党員資格停止」を受けており、今回は処分が事実上見送られる。不信任案に賛成した2議員はすでに除籍となっている。