黒田氏「早期に緩和措置を決定」 2%物価目標「必ず果たす」
参院議院運営委員会は11日、政府が次期日銀総裁候補として提示した黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁から所信を聴取した。黒田氏は新体制が20日に発足すれば「早期に具体的な緩和措置を審議して決定したい」と発言。就任後は速やかに積極緩和策を展開していく構えをみせた。
4月の金融政策決定会合前に臨時会合を開くのかという質問には「具体的な日程にふれるのは難しい」と明言を避けた。
黒田氏は日銀が1月に導入した2%の物価安定目標の達成は「日銀総裁に課せられた最大の使命だ」と強調。総裁に就任した場合は「必ず果たす」と決意を表明した。
黒田氏は冒頭の所信表明で、デフレ脱却へ向けて「何でもやる姿勢を明確に打ち出したい」と強調した。現行の日銀の金融緩和では「2%の物価目標の早期実現は難しい」と批判。「さらなる緩和が必要だ」と述べ、目標達成へ金融緩和を強化する姿勢を強調した。
民主党の桜井充氏、みんなの党の中西健治氏、自民党の長谷川岳氏らの質問に答えた。
与党は15日までに衆参両院で人事案を採決することを目指す。参院は12日に副総裁候補の岩田規久男学習院大教授、中曽宏日銀理事の所信を聴取する。日銀総裁人事は与党が議席の過半数に達していない参院の同意を得られるかが焦点となる。参院第1会派の民主党は黒田氏の総裁起用に同意する方向だ。
白川方明日銀総裁は任期満了となる2人の副総裁とともに19日に辞職する。政府は白川総裁の後任に積極的な金融緩和を主張する黒田氏を起用する人事案を2月28日に国会に提示した。