高崎市民に愛されたすかや本店。ランチタイムは行列ができた=12月20日正午ごろ
すかやで人気のかき揚げそば
すかやで定番のざるそば

 おいしいそばを手軽に食べられ、群馬県高崎市民に愛されているそば店「すかや本店」が、テナントとして入居するスズラン高崎店(高崎市宮元町)の新築移転に伴い1月末で閉店する。サラリーマンや買い物客で行列のできる人気店だが、新しいスズランでは十分なスペースの確保が難しく、後継者もいないため。社長の須賀玲子さん(67)は「お客さんへの感謝の思いで、最後まで頑張りたい」と話している。

 1830(天保元)年創業で、以前は同市の中央銀座通りに本店があった。スズラン高崎店が開業した1968年、地下食料品売り場に出店。銀座通りの店を91年に閉めた後も、ここで本店ののれんを守ってきた。

 立ち食いのカウンターとテーブル席が二つ。8代目に当たる玲子さんと、義弟で専務の良二さん(70)ら5人で切り盛りしている。打ち立て、ゆでたてのもりそば(480円)や、かき揚げそば(580円)のほか、夏はキュウリやタマネギの入った冷やしたぬきそばが名物だった。

 客の要望を聞いて生まれたメニューも多い。たぬきそばの揚げ玉を減らしたい客にはその分、刻みのりをトッピング。リクエストすれば、もりそばやざるそばを温かいつけつゆで出している。