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「リプトン」売却も、ユニリーバが紅茶人気衰退で検討

  • ユニリーバはグローバル紅茶事業の見直し着手、売上高3600億円規模
  • 消費者の好みはコーヒーへ、英国でも紅茶需要が大幅に後退
Lipton Tea teabag and tag. Lipton is a brand of tea
Photographer: Roberto Machado Noa/LightRocket

コーヒーの人気に紅茶が押され、英・オランダ系消費財・生活用品メーカーのユニリーバは世界で最も有名な紅茶ブランドの一つである「リプトン」の売却を検討している。

  ユニリーバは年間30億ユーロ(約3600億円)前後の売上高を稼ぐグローバル紅茶事業の見直しに着手した。この対象には一世紀余りの歴史を持つリプトンも含まれる。ユニリーバは2019年10-12月(第4四半期)の中核事業売上高が10年ぶりの低い伸びにとどまっていた。

  消費者の好みがコーヒーに移っていることも背景にある。ロンドンから北京に至るまでコーヒー店はいまや至る所にあり、カプセル式の家庭用コーヒーメーカーも世界各地で人気だ。

  食品販売業界の専門誌、英グローサーによると、2018年5月までの12カ月間に英国で飲まれた紅茶は前年に比べ約9億杯減少した。コーヒー党でない人々ですらも、イングリッシュブレックファストやアールグレイなど伝統的な紅茶ではなくハーブティーをより好むようになっている。

  ユニリーバのグレーム・ピットケスリー最高財務責任者(CFO)は、紅茶需要は「消費者志向の変化により、先進国市場では数年にわたり減速を続けている」と電話会議で説明。戦略の見直しでは「完全売却や部分売却などあらゆる選択肢を含めた可能性」を検討すると語った。

原題:
Unilever Mulls Sale of $3 Billion Tea Unit With Coffee on Rise(抜粋)

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