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旧竹下派から幹事長 【自民派閥に明暗】 二階派冷遇、脱退希望も

 衆院選を経て自民党各派閥の勢力図に変化が見え始めている。甘利明氏の失脚で幹事長に就いた茂木敏充氏は念願だった旧竹下派の会長内定をつかんだ。一方、岸田文雄政権で領袖(りょうしゅう)が冷や飯を食わされるなど憂き目に遭った形の派閥は求心力が低下し、所属議員の脱退や派閥解消も懸念される事態となっている。

 「平成研(旧竹下派51人)としては21年ぶりの幹事長です」。11日、茂木氏は党本部で開いた派閥会合で胸を張った。会合後、会長内定を記者団に告げ、近く「茂木派」が正式に発足する見通しを示した。

 旧竹下派は会長の竹下亘元復興相が9月に死去し、会長職が空席となっていた。茂木氏は、引退後も同派の参院側に影響力を持つ青木幹雄元官房長官と折り合いが悪く、派内には将来の総裁候補に小渕優子元経済産業相を推す声が根強く、「それまでのつなぎとして別の会長案」(自民重鎮)が浮上していた。

 だが、会合では、茂木氏の会長内定に参院側から反対意見は出ず、党関係者は「幹事長派閥ということで青木さんものんだのだろう」と解説する。茂木氏は「(所属議員は)もう少し増える」と自信をのぞかせており、最大派閥の安倍派(93人)や第2派閥の麻生派(53人)に比肩する影響力を築き、「ポスト岸田」を目指す考えだ。

 茂木氏とは対照的に、歴代最長5年を超える幹事長を務めた二階俊博氏は岸田政権では冷遇状態。求心力が落ちた二階派(44人)には「安倍派に行きたがっている議員もいる」(党関係者)ほど、派内は「ばらばら」とささやかれている。

 衆院選で落選した石原伸晃元幹事長が会長を辞する石原派(7人)では、後任に森山裕前国対委員長を推す声が出ている。所属議員の引退や脱退が相次ぐ石破派(12人)は、他派閥から水面下で引き抜き工作が活発化し、派の存続が問われる事態に発展している。

 各派が新人争奪戦を繰り広げているなかで、菅義偉前首相を支持する無派閥グループが派閥化を狙っているとの観測も出ている。参院ベテランは「菅さんの力を残すために、目に見える数として温存したい」と意気込む。菅氏は、総裁選で支援した河野太郎広報本部長や、小泉進次郎前環境相との連携も視野に入れているとみられる。

 岸田派(42人)はナンバー2の林芳正氏が外相に就き、とりまとめ役が見当たらないのが悩みの種だ。岸田派幹部は「この機に勢力を拡大しないといけないのだが」と漏らす。

 (久知邦、大坪拓也)

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