WWE・スマックダウン(アリゾナ州グレンデール)で行われた注目のWWE女子王座戦は、王者イヨ・スカイ(紫雷イオ)が〝明日の女帝〟アスカを大激闘の末に破り、タイトル防衛に成功した。
日本人同士による王座戦は、中継で名実況のマイケル・コール氏が「アスカとイヨのキャリアを追ってきた世界中の何百万というファンにとって、まさにドリームマッチ」と紹介するほど注目を集めた大一番。挑戦者のアスカがコールされると大歓声が上がり、悪のユニット「ダメージCTRL」のイヨには当然ブーイングが上がった。
ゴング直前にはシャーロット・フレアーが登場。15度目の最高峰王座獲得を狙う〝女王様〟は実況席の隣に陣取り、試合を観戦した。ゴングが鳴ると、イヨとアスカは真っ向からぶつかり合い、スピーディーな攻防を展開。アスカは握手を求めてイヨをけん制し、高度な丸め込み技で攻め立てる。イヨの場外ムーンサルトアタックもかわしてソバットを打ち込んだ。
王者はスワンダイブ式のミサイルキックを連発。ダブルストンプからダブルニーの猛攻を見せると、観衆からは「イヨ! イヨ!」と、何と悪の王者へのチャントが上がった。アスカも雪崩式ブレーンバスターからキックの連打で反撃。逸女がカウンターの掌底、ジャーマンを放つと、女帝は高角度ミサイルキック、裏拳連打からスライディングキックの猛攻だ。
それでもイヨは、コーナー上段に座ったアスカにドロップキックを見舞う離れ業。さらに豪快な場外ムーンサルトを放った。アスカも譲らすイヨのクロスフェースを切り返して、アスカロックで捕獲した。さらにコーナー2段目からの強烈なドロップキックだ。白熱の名勝負は、アスカが再三のアスカロックで王者を追い詰めた。
ここでイヨのセコンド、ベイリーがレフェリーの死角を突き、イヨの足を引っ張りロープブレークに。「ダメージCTRL」得意の介入にシャーロットが駆け寄り、ベイリーを殴り倒した。シャーロット、ベイリーの2人と因縁のある女帝が気を取られた隙に、イヨが背後から豪快なダブルニーを発射。倒れた女帝を、必殺のムーンサルトプレスで圧殺し、1万5000人観衆の掛け声とともに3カウントを奪った。
激闘を制してベルトを守ったイヨは、ベイリーとダコタ・カイに祝福された。バックステージのインタビューでは「とってもうれしいよ。だってアスカに勝ったんだもの」と喜んだ。
自身の「X」(旧ツイッター)にも「私が勝った。タイトルを守った。アスカに勝ったよ。私が〝ジーニアス・オブ・ザ・スカイ〟だ!!!」と投稿。日本では共闘したこともある〝アスカ姉さん〟超えを果たし、充実感に浸っていた。