私が彼女に初めて取材を打診したのは今年7月のこと。「宗教2世」へのサポートについて考える特集をしたいとの思いからSNSを通じて連絡した。

「統一教会のせいでめちゃくちゃに…」

小鳥の声が聞こえるリビングで、幼い息子をあやしながら行われたインタビュー。そんな彼女を見守る夫。幸せな空間。「苦しみ」とはほど遠い場所。しかし、そこで語られた人生は壮絶そのものだった。

「統一教会のせいで自分の人生をめちゃくちゃにされたんじゃないかって思いが強い未だに本当に許せない」(7月の取材で)

中高生向けの旧統一教会が行った勉強会などに参加していた小川さゆりさん(仮名)

幼少期から抱いていた旧統一教会への違和感。

「神様の子(※)」と言われながらも、お年玉は没収される、誕生日などの記念日にプレゼントはない。※旧統一教会では「祝福結婚」を経て生まれた子どもを「祝福2世=神様の子ども」としている

貧しさから洋服などは、お下がりばかりだったこと。その代わりに自宅には、献金の証ともいえる「壺」や「ハンコ」がいくつもあったこと。

学校でいじめられた時にも親からは「神様に期待されているから」という言葉で片づけられたこと。教会の行事で学校や部活を、休まなくてはいけなかったこと。子ども時代に多くの人が経験する“当たり前”の喜び、楽しみ。

旧統一教会はそれすら、奪っていた。