貴景勝が初めて相撲取る 名古屋入り後、出場不安視も
大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)へ向け、右膝に不安を抱えるかど番の大関貴景勝が2日、名古屋市北区の千賀ノ浦部屋で、名古屋入り後初めて相撲を取った。「自分としてはすごく良かった。怖さもなかった」と収穫を強調したが、出場が不透明な現状を打破する内容とまではいかなかった。
幕下以下の力士と5番取り、相手の押しを右足で踏ん張って残すなど感触を確かめた。体の反応や押し込む力の伝わり具合に手応えをつかみ「段階を踏んでやってきた。これだったら問題ない」と見通しを話した。
ただ出場を不安視する声もある。稽古を見た解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「仕上がっていない。力士人生を台無しにしてしまうかも」とけがの悪化を懸念した。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)も「それなりにやったけれど、甘くはない。本人と話します」と慎重だった。
今後も関取衆と稽古する予定はなく、ぶっつけ本番の状況だ。貴景勝は「まだ時間はあるし、明言はしないけれど、名古屋に来ているということは出るつもり。さらに気持ちを高めていかないといけない」と意欲を口にした。〔共同〕