中東と南アジアを拠点とするプロ野球リーグ、ベースボール・ユナイテッド(BU)が23日(日本時間24日)にドラフトを行った。かつてのメジャーのスーパースター、パブロ・サンドバル内野手(37)、ロビンソン・カノ内野手(40)らに加え、今季までDeNAでプレーした平田真吾投手(34)、日本ハム、ロッテでプレーしたブランドン・レアード内野手(36)ら80人が指名された。今後の展開が楽しみだ。

 BUはUAE、インド、パキスタンに本拠地を置くムンバイ・コブラス、カラチ・モナークス、ドバイ・ウルブズ、アブダビ・ファルコンズの4球団で結成された。ドラフトの対象選手はMLB、米マイナーリーグ、NPB、KBOリーグなどの各国のトップレベルのリーグでのプレー経験があることだ。

 注目の指名選手は豪華だ。“カンフー・パンダ”の愛称で親しまれたサンドバルは1巡目全体4位でファルコンズ、ヤンキースなどで通算2639安打、メジャーを代表する二塁手だったカノが1巡目全体6位でウルブズだった。

 ゴールドグラブ賞4度の名遊撃手で大谷翔平投手(29)と2018年から20年までエンゼルスで同僚だったアンドルトン・シモンズ内野手(34)が1巡目全体8位でコブラス、ヤンキースでジーター2世と期待されたディディ・グリゴリアス内野手(33)が1巡目全体3位でウルブズに指名されている。

 驚かされたのは2巡目全体16位でモナークスに指名されたバートロ・コロン投手(50)。メジャー通算247勝ながら18年以降メジャーでの登板はなく、今年9月に引退した。いずれも全盛期はメジャーを代表する存在だった。シモンズ、グリゴリアスは年齢的にもこれからだ。

 全体1位はカラン・パテル投手(26)だった。17年にホワイトソックスに7巡目全体200位で指名され、入団するもメジャー経験はなく、ダブルA止まり。今年3月に解雇され、登板していない。

 UB公式「X」(旧ツイッター)はカノやグリゴリアスがユニホームを手に笑顔の動画をアップしている。

 NPB経験者では日本ハム、ロッテ通算213本塁打、スシパフォーマンスで人気を博したレアードは5巡目全体40位でコブラス。5巡目全体34位でモナークスに指名された平田は20年からの3年間で43、38、47試合に登板するも今季は0。球団から戦力外通告を受けたものの、現役続行を希望していた。また阪神で17年から20年までプレーしていた福永春吾投手(29)は9巡目全体68位でファルコンズに指名された。

 18年から21年まで中日とオリックスでプレーしたスティーブン・モヤ外野手(32)は1巡目全体2位でファルコンズ、18、19年にヤクルトで計103試合に登板したデーブ・ハフ投手(39)が2巡目全体9位でモナークスだった。18年に阪神でプレーしたウィリン・ロサリオ内野手(34)は3巡目全体24位、21年に広島でプレーしたドビーダス・ネバラスカス投手(30)は4巡目全体28位でともにウルブズに指名された。

 オールスターショーケースが11月24~25日(同25~26日)にドバイで行われる予定。選手のレベルが分かるだろう。

 BUの会長兼CEOは起業家のカッシュ・シェイク氏で、共同出資者、役員にレッズ一筋で通算2340安打の名遊撃手、12年に米野球殿堂入りしているバリー・ラーキン氏(59)、メジャー最多の652セーブをマークしたマリアノ・リベラ氏(53)、メジャー通算3166安打を放ち、米野球殿堂入りが確実視されるエイドリアン・ベルトレ氏(44)らメジャーのレジェンドが名を連ねる。

 24年11月からリーグ戦を行う予定だという。BUが野球界にどんな影響を与えるのか注目される。