日本ハムの新外国人選手が非常に楽しみだ。フランミル・レイエス(28=ロイヤルズ)のバッティングの力量もさることながら、まじめで陽気な性格と、真剣にバント練習、走塁練習、バント処理と、手を抜かない姿勢は見ていて頼もしい。

外国人選手はシーズンが始まってみないと、どうなるかわからないが、少なくともこのキャンプでの取り組み方を見ていると、期待せずにはいられない。好感度抜群の助っ人と言える。


 ◆   ◆

日本ハムの名護キャンプを見て、まず、新外国人レイエスの真面目さと、バッティングの確実性に目を見張った。

バッティングでは引っ張ることもできるが、反対方向にも一発が打てる。八木打撃コーチに聞いたところでは「ポイントが近く、内角を右に打てる技術もある」との評価だった。

ポイントが近いと、変化球をよく引きつけてから対応できるため、低めのボールの見極めも期待できそうだ。引っ張った時の破壊力は申し分なく、そこに右方向への長打も備えている。相手バッテリーからすれば、要注意打者として、慎重に攻めることになりそうだ。

バント練習では、どんな姿勢でやるのかなと注目していたが、しっかり膝を曲げて、見るからに真剣に、手抜きなど一切なく、バントを繰り返していた。

コーチ時代、外国人選手のバント練習を見れば、プロ野球になじもうとしているか、得意なことだけやる選手なのか、ある程度の見極めができた。ファウルになっても、決められた数だけバントをして終わり、そんな外国人はたくさんいた。こうした点でも、レイエスの練習姿勢は光った。

極め付きは投内連係での動きだった。バント処理で、一塁、三塁がチャージする設定。一塁手のレイエスは、巨体を揺らして猛チャージをしていた。さらに日本語で「(バントを)やらせろ」と大声で叫んでいた。これにはびっくりした。本番さながらの迫力でチャージし、かつ日本語でチームメートに意思表示している。

あれだけ真面目にバント練習をして、さらに覚えた日本語を使ってバント処理に猛チャージするなんて、私も長くプロ野球界にいたが、初めて見る光景だ。陽気で、チームにいいものをもたらしている。

日本ハムではかつてセギノールが、やはり同じように練習に取り組む姿勢が素晴らしく、性格も明るくてチームの雰囲気を良くしていた。こういう新外国人選手が加入すると、一気に打線の破壊力が増す。

内角を攻められたり、低めの変化球で攻められ、選球眼が求められたり、苦労する部分も当然出てくるだろうが、これらの関門をクリアすれば、かなりの活躍が期待できる。

外国人選手は予想が本当に難しい。それはよく理解しているが、現状を見る限り、数字を出す可能性は十分に示していると感じた。(日刊スポーツ評論家)