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次期副大統領ハリス氏 「多様性」体現の苦闘

米州総局 白岩ひおな

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女性かつ黒人として初めて米国の副大統領に就くことになった民主党のカマラ・ハリス上院議員(56)。インド系移民の母とジャマイカ出身の父を持つ同氏は厳しい検事としての過去のイメージや、夫が裕福な白人弁護士であることへの反発もあり、黒人有権者からの支持は伸び悩んでいたのが実情だ。マイノリティーの中でも独自色が強いハリス氏の最近の発言や経歴をみると、多様性を旗印にすることで黒人だけでなく様々な少数派の支持を自らに結集させる戦略がうかがえる。

バイデン氏に劣っていた黒人層の支持

バイデン前副大統領の大統領選での当選確実が伝えられた直後、黒人初の女性副大統領の誕生について現地の黒人や移民出身の有権者からは冷静な声が多く聞かれた。ワシントンに住むアフリカ系米国人のタクシー運転手、ハーリク・ダニエルズさん(30)は「人々が変化を期待して、明るい気分になっているのは良いことだ。ただ、あくまで富裕層の目線で、本当に低所得者や貧しい人に寄り添った政策をしてくれるのかは疑問だ」と語った。ニューヨーク市に住むインド系移民のスクジンダー・センさん(26)は「移民の仲間はみんな喜んでいる。ただ、彼女が実際に何をするのかはこれからよく見極めなければいけない」と話した。

今回の大統領選では、黒人有権者の集票にはハリス氏よりも白人のバイデン氏の方が貢献したとみる向きが多い。初の黒人大統領だったオバマ氏に副大統領として仕えたバイデン氏の実績を評価する黒人層が多いためだ。実際、ハリス氏が民主党の大統領候補になるのを目指していた2019年11月の世論調査では、同氏の黒人層の支持率は5%と、バイデン氏の43%に大きく引き離されていた。

ハリス氏は「革新的検察官」を自認し、出所者の社会復帰事業や特別捜査官へのボディカメラ着用など左派寄りの政策を実績に掲げた。しかし、検事時代に比較的軽微な罪でも厳罰を求めるなど容疑者に厳しい姿勢だったとの評価から「(白人と比べて収監される割合が大きい)黒人の味方ではない」との批判があり、黒人層に支持をなかなか広げられなかった。差別などの理由から低所得者が多く、高等教育を受けた人の割合も白人に比べて小さい黒人層にとっては、富裕層に属すインテリのハリス氏との距離を感じる人も少なくないようだ。19年の納税申告書によると、ハリス氏と夫のユダヤ系弁護士ダグ・エムホフさんの調整後総所得は約300万ドル(約3億1400万円)に上っていた。

黒人としての自覚

ハリス氏の経歴や発言をみると、インド系としての意識を持つ一方で、若年期から黒人社会に広く受け入れられようと努めてきたことがうかがえる。優秀な黒人学生が集まる首都ワシントンのハワード大学に進学したことにも、黒人として社会的成功をおさめることへの意志がにじむ。1986年、20代のハリス氏が卒業したハワード大は黒人の人々のために早くから門戸を開いた高等教育機関の一つだ。

「母は自分が(妹のマヤさんとハリス氏の)2人の黒人の娘を育てているということをよく理解していた。自信を持って、誇り高き黒人女性に成長すると確信していた」。ハリス氏は自叙伝「私たちの真実」で、生まれ育ったカリフォルニア州オークランドの黒人文化に慣れ親しんだと記述。黒人としての自らのルーツを強調している。

BLMが追い風。多様性を旗印に

世界的な知名度を得たハリス氏を巡っては、高齢のバイデン氏が2期目の出馬を見送り、代わりに4年後の民主党の大統領候補になるとのシナリオも取り沙汰される。5月に白人警官が黒人男性を暴行死させた事件で広がった抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命は大切だ)」を追い風に、黒人女性としてのハリス氏の人気が高まっているとみる向きもある。ハリス氏自身もこうした期待に呼応するように、デモ参加者が求める警察改革の必要性に繰り返し言及してきた。

ハリス氏は今後、米社会における多様性の重要性を打ち出して、黒人だけでなくLGBT(性的少数者)やアジア系、移民など差別に苦しむ様々なマイノリティーの支持を集めていく戦略のようだ。実際、成功した黒人女性として注目を浴びる中でもハリス氏は「政治家は出身や肌の色によってこうあるべきだというような『箱』に押し込まれるべきではない。自分は自分だ」と発言している。11月7日のハリス氏の勝利演説で入場曲になった米人気歌手、メアリー・J・ブライジさんの「Work That」にも、そんな彼女の訴えと共鳴するような一節がある。「髪の長さや肌の色で批判されたとしても、顔をしっかり上げて。あなたは美しい女性よ。前に進み続けるの」

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いま大きく揺れ動く、世界経済。 自分か。自国か。世界か。このコラムでは、世界各地の記者が現地で起きる出来事を詳しく解説し、世界情勢の動向や見通しを追う。 今後を考えるために、世界の“いま”を読み解くコラム。

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