NHKに5万円賠償命令 番組で無断転載 知財高裁

NHK放送センター外観=東京都渋谷区
NHK放送センター外観=東京都渋谷区

将棋情報を発信するウェブサイト上の説明文をNHKの将棋番組で無断転載されたなどとして、サイト「将棋講座ドットコム」の運営者が損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、知財高裁は5日までに人格権や著作権の侵害を認め、NHKに5万円余りの賠償を命じる判決を言い渡した。3月16日付。判決は確定した。

判決によると、NHKはEテレの番組「将棋フォーカス」の令和3年5月30日放送回で将棋の基本ルールを紹介した。本多知成裁判長は、番組で上位者が駒の準備や片付けをするのがマナーだと説明した際、字幕などで「『雑用は喜んで』とばかりに下位の者は手を出さないようにしましょう」とした部分を含む2カ所でサイトからの引用があったと認定。「公共の放送事業者であるにもかかわらず、創作性のある部分をほぼそのままの形で使用した。悪質と評価されても仕方がない」とした。

サイト運営者は当初、名誉毀損などを主張したが、昨年9月の1審東京地裁判決は請求を棄却。控訴審で訴えの内容を人格権侵害などに変更していた。

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