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復元の貴重な史料となる明治時代の「旧波門崎燈籠堂」の写真(宮内庁所蔵、明石市提供)=明石市港町
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復元の貴重な史料となる明治時代の「旧波門崎燈籠堂」の写真(宮内庁所蔵、明石市提供)=明石市港町
現在の燈籠堂。劣化が進んでいる=明石市港町
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現在の燈籠堂。劣化が進んでいる=明石市港町
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 日本最古の石造り灯台とされ、国の有形文化財にも登録されている明石港の「旧波門崎燈籠(はとさきとうろう)堂」について、明治時代に撮影されたとみられる写真を収め、113年前に発刊された蔵書が宮内庁で見つかった。兵庫県明石市によると、建築当初の木製のかさ部分が分かる数少ない史料で、当時の姿を把握する上で貴重という。市は写真を参考に復元する予定で、保護や改修に国の財政支援を受けられる市文化財にも指定した。(小西隆久)

 旧灯台は江戸時代の1657(明暦3)年、5代明石藩主松平忠国が建てたとされ、明石の水運と商工業の発展に貢献した。その後、一部はコンクリートなどに改修され、沖合に新しい灯台ができた1963年には役割を終え、99年に所有権が明石市へ移された。

 2014年に国登録有形文化財に指定されたが、長らく観光資源として活用されることなく、江戸期に造られたとされる石造り部分などが劣化。さらに周辺に違法駐車が増えるなど保存環境の悪化に、地元住民から対策を求める声が上がっていた。

 市は20年度当初予算で、新たに観光資源として活用するための復元費を計上。改修前の木製のかさ部分について調べる中で、宮内庁の蔵書の中から1908(明治41)年に発刊された「明石名所写真帖」が見つかり、旧灯台を撮影した写真が1枚あった。

 市文化振興課の稲原昭嘉文化財担当課長によると、写真集は当時の明石郡長・三輪信一郎氏が兵庫県知事を通じて宮内省へ献上したという。1883(明治16)年に施された白ペンキが風化していないことが確認でき、稲原課長は「旧灯台が写った写真の中では最も古い部類に入る」と話す。

 市は、来年秋に開催される「全国豊かな海づくり大会」の兵庫プレ大会(今年開催)までに、写真で明らかになったかさ部分の形状などを再現して修復する。周辺には照明設備やベンチなどを設置して、旧灯台をライトアップする予定。

 さらに、文化庁から指摘を受け、より文化的価値の高い市文化財にも指定。既存のコンクリート製の灯籠部も、旧灯台の変遷を知る歴史遺産として価値があるとの助言があり、現在地に並べて展示する予定という。

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