「OBの一人としても、悔しいシーズンだった」と今季を振り返る香川の近藤監督=9月26日、坂出市番の州球場
四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズは、9月19日の後期最終戦で2023年シーズンが終了。今季は前期が12勝3分け19敗、後期が7勝4分け23敗でそれぞれ最下位に終わった。前期最下位、前後期とも最下位は球団初。昨季の主力選手が複数抜けた上に、今季の中心選手にもけが人が相次ぎ、前後期別のチーム打率、同防御率は全てリーグワーストだった。チームとしても選手個々の成績としても悔しさが残ったシーズンを近藤智勝監督に総括してもらった。(聞き手、運動映像部・筒井泰生)
―今季を振り返って。
「(球団創設)19年目にして初めて前期、後期ともに最下位を味わい、1年目から選手としてプレーしたOBの一人としても、とても悔しいシーズンになった。昨季の主力が抜けた穴を埋めることができず、自信を持って言えるチームのストロングポイントを見いだせなかった。投手陣にけが人が続出し、ローテーションが崩れたのも非常に痛かった」
―前期中盤から失速し、球団初の前期最下位。
「序盤は何とか勝率5割でいけていたが、中盤以降にほころびが出て四球や失策などで自滅する試合が増えてきた。そういう試合が続くうちに、歯止めが利かなくなっていった」
―後期も悪い流れを止められなかった。
「見えない部分だが、完全に負け癖がついてしまっていた。選手が、何とかしないといけないと意識するあまり、思うようなプレーができていなかった」
―選手個々に目を向けるとどうか。
「伊藤、赤尾がよく投げた。(主将で抑えの)石田も一番プレッシャーがかかるところで頑張り、いろんな意味で(チームの)支柱になってくれた。野手では田代が全試合フル出場してチームを引っ張っていたと思う」
―来季への収穫は。
「(いずれも2年目の)森本、長嶺、大輔あたりが試合経験を積めたのは大きい。今度は彼らがプレーで引っ張っていってほしい。投手陣は、けが人が続出した影響で、普段投げられないピッチャーが多く投げられたという点は収穫かな」
―ドラフト会議に向け、10月の秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」が今年最後のアピールの場となる。
「しっかりとアピールして、“フェニックスドリーム”をつかんでほしい」
―来季に向けては。
「計算通りいかないのがスポーツ。そうなったときに、どうしないといけないのかを考えないといけない。チームの現状でいうと、投手陣の整備が必要。野手を含めてだが、もっと勝負強い選手が出てきてほしい。まずは前期の優勝争いに食い込めるようにしていきたい」
―最後にファンに向けて一言。
「今季は、これまで見たことないようなガイナーズの姿を見せてしまった。来季は、1試合でも多く勝ちゲームを見せられるようにしていく」
◎略歴
近藤智勝(こんどう・ともすぐ)神奈川・桐光学園高、駒大を経て、四国アイランドリーグ初年の2005年に香川入団。香川では内野手として6シーズンプレーし、07、08、10年の独立リーグ日本一に貢献した。現役引退後は12年から19年まで香川の野手コーチを務め、20年3月に監督に昇格した。神奈川県出身。高松市在住。40歳。