水木しげるロードが30周年…鬼太郎やねずみ男などのブロンズ像が立ち並ぶ名所に4290万人が来訪

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多くの観光客が訪れる水木しげるロード(鳥取県境港市で)
多くの観光客が訪れる水木しげるロード(鳥取県境港市で)

 鳥取県境港市の観光名所・水木しげるロードが今年30周年を迎えた。1993年に誕生して以来、市出身の漫画家・水木しげるさんの生み出した妖怪などのブロンズ像が並ぶ通りには、この30年で約4290万人が訪れ、山陰随一の観光地に成長した。(立山光一郎)

 ロードはJR境港駅から東へと続く約800メートル。開設した当初、ブロンズ像は鬼太郎やねずみ男など23体だけだったが、年々増設され、今は177体が並ぶ。

 当初、妖怪を使ったまちおこしに否定的な意見も寄せられたり、ブロンズ像の盗難・破壊という災難に見舞われたりしたが、ユニークな取り組みは注目を集め、訪れる人が増え続けた。

 観光客数は「年間30万人が来てくれれば」(黒目友則・松ヶ枝町商店街会長)という思惑をはるかに超え、2007年には100万人を突破。NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が放送された10年には370万人を超えた。コロナ禍により20、21年は100万人を割ったが、昨年は101万人と回復に向かっている。

 水木ロード沿いの店で土産物販売などを手がける水木しげるロード振興会の柏木徹会長(63)は「観光地がなかった境港が、鳥取砂丘をもしのぐ観光地となった。ありがたい」と語る。

 水木ロードの誕生について、市の渡辺文産業部長は「境港を観光地に押し上げた。その経済効果は大きい」と話す。市の観光消費と経済波及効果に関する調査(2018年)によると、観光客の直接消費額は275億円。このうちロードが36・1%を占める。

 商店街の活性化事例としても評価される水木ロード。「さかなと鬼太郎のまち」を掲げる市にとって、これからは「妖怪」による成功を、漁業や 弓浜絣ゆみはまがすり といった地域の産業・文化の振興にいかに結びつけていくかが問われている。

商店街に記念碑設置

30周年の記念碑を設置した松ヶ枝町商店街の黒目会長(右、鳥取県境港市で)
30周年の記念碑を設置した松ヶ枝町商店街の黒目会長(右、鳥取県境港市で)

 水木しげるロードの一角にある松ヶ枝町商店街で12日、30周年の記念碑の除幕式があった。

 節目の年を迎え、商店街が碑(高さ110センチ、横85センチ)を設置。市に寄贈した。碑には「30th」「開設30周年記念」などの文字が刻まれている。商店街の黒目友則会長や伊達憲太郎市長らが除幕して設置を祝った。

 水木ロードの開設に関わってきた黒目会長は「水木しげるロードを市民の文化の拠点として、次世代の人も次の50年、100年へと守り、引き継いでいってほしい」と述べた。

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