三菱電機、FA製品の工場でも国際認証停止
三菱電機は8日、ファクトリーオートメーション(FA)製品を手がける名古屋製作所(名古屋市)について、品質管理に関する国際規格「ISO9001」の認証が5日付で一時停止されたと発表した。傘下の可児工場(岐阜県可児市)での品質不正の発覚を受けた措置で、認証を条件とした入札に参加できなくなるなどの影響が出る可能性がある。
認証は名古屋製作所として取得していた。不正の判明が相次いだ同社を巡っては、長崎製作所(長崎県時津町)や受配電システム製作所(香川県丸亀市)でも一時停止を経て、同認証の一部が取り消されている。認証機関は特別審査を行って最終的な結論を出す方針。同社は「一時停止の早期解除に向けて全力で取り組む」としている。
可児工場では5月、工場の制御盤に使う電磁開閉器(マグネットスイッチ)の部品に、米国の第三者機関の安全認証を受けていない樹脂材料を使っていたことが明らかになった。
三菱電機は同日、事業説明会を開き、FAシステム事業の売上高を2026年3月期に前期比36%増の8000億円以上にする中期事業計画を公表した。6月に発表した中期経営計画から1000億円上積みした。営業利益率は6.5ポイント高い17%以上とした。
国内外の営業・販売体制を強化するなどして、電気自動車や半導体、リチウムイオン電池をはじめ活発な設備投資需要を取り込む。利益率の高いソフトウエアの販売も増やす。
FAシステム事業のうち、競争力があり業績のけん引役と位置づけるシーケンサーなど「FA制御システム」は同51%増の4000億円以上、営業利益率は23%以上を目指す。
日本とインドに新たな生産拠点を設けるほか、中国の工場拡張も検討する。M&A(合併・買収)は26年3月期までの5年間で600億円を投じる計画だ。
一方、同日、工業用ミシン事業をJUKIと22年4月に設ける合弁会社に移管すると発表した。新会社はグループで同事業を扱う名菱テクニカ(名古屋市)が設立し、JUKIが80%、三菱電機が20%を出資する。