15年の課題〜大教大付属池田小事件〜(中)

歪んだ「心の闇」と医療観察制度の限界

【15年の課題〜大教大付属池田小事件〜(中)】歪んだ「心の闇」と医療観察制度の限界
【15年の課題〜大教大付属池田小事件〜(中)】歪んだ「心の闇」と医療観察制度の限界
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 大教大付属池田小学校の隣にあり、卒業生の約7割が内部進学する付属池田中学校の関係者は今春、一人の卒業生が起こした事件と供述に大きく揺れた。

 「中学校のころから女の子を誘拐したいという願望があった」

 埼玉県朝霞市で中学1年だった少女(15)が行方不明となり、2年ぶりに東京都内で保護された事件。未成年者誘拐罪や監禁罪で起訴された寺内樺風(かぶ)被告(23)は、池田市内の市立小学校から付属池田中・高校を経て千葉大に進学していた。

 付属池田中は、付属池田小事件を教訓に積み重ねてきた学校安全の取り組みを評価され平成26年、日本の中学では初めて国際的な学校安全認証「インターナショナルセーフスクール(ISS)」を取得している。

 「我々が認証を受けることで、日本の他校の視点を広げたい」(学校幹部)。生徒たちの安全意識の高さには自信があっただけに、関係者が受けた衝撃は大きい。

 寺内被告の供述が事実であれば、最先端の安全を目指していた学校のフェンスの内側で、歪んだ「心の闇」が芽生えていたことになる。

 学校幹部は「そういう卒業生が出てしまったことは残念としか言えません」と語るのみだ。

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