関電など5社に業務改善命令 経産省、不正閲覧問題

関西電力本店=大阪市北区
関西電力本店=大阪市北区

複数の大手電力会社が競合する新電力会社の顧客情報を不正に閲覧していた問題で、経済産業省は17日、関西電力や九州電力など5社に対し電気事業法に基づく業務改善命令を出した。関電では知りえた情報を自社の営業活動に悪用していたことが判明するなど、公正な競争を阻害する悪質な行為と判断し、厳しく対処した。情報システムを共用する状態の解消や、業務執行が適正に行われる取り組みの強化策などを求めた。

業務改善命令を受けたのは関電と九電のほか、関電子会社の関西電力送配電、九電子会社の九州電力送配電、中国電力子会社の中国電力ネットワーク。一度に大手3グループが行政処分を受ける事態となった。

業務改善命令を出すにあたり、経産省は17日午後、5社の社長を呼んだ。資源エネルギー庁の保坂伸長官は「電気事業の中立性・信頼性に疑念を抱かせる状況をつくり出した当事者であることを踏まえ、この命令を重く受け止めるとともに、必要な措置を早急に講じてほしい」と求めた。

この問題は昨年12月以降に相次ぎ発覚。送配電部門が保有する新電力の顧客情報を、小売部門の社員が不正に閲覧していた。電気事業法は、大手電力と新電力との公正な競争を確保する観点から、送配電部門が持つ新電力の顧客情報を親会社の大手電力や小売部門と共有するといった不適切な取り扱いを禁じている。

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