ビンラディン容疑者殺害 暗号名ジェロニモは「不快」
先住民が米大統領に謝罪要求
【ニューヨーク共同】米オクラホマ州の先住民族(インディアン)は3日、米海軍が国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害する際、同容疑者の暗号名に先住民族の指導者ジェロニモの名前を使ったのは不快などとして、オバマ大統領に公式謝罪を求める書簡を送った。
同州を本拠地とするフォートシル・アパッチ族の会長名で出された書簡は、殺害の発表に当初は米国民として「歓喜した」としつつも、ジェロニモの名前が使われたと知って「苦痛で不快」の念を抱いたと表明。
「史実の誤解によるものと確信する」とし、大統領に謝罪と是正を求めた。
AP通信によると、ホワイトハウスから書簡を回された国防総省は先住民族を侮辱する意図はなかったと釈明した。
米メディアによると、米海軍特殊部隊員は殺害の際に「ジェロニモ、EKIA(敵は作戦中に殺害)」と報告した。「ジェロニモ」が作戦自体を示す暗号に使われていたとの報道もある。
ジェロニモは1829年、米西部生まれ。米軍の支配と戦ったが、86年に降伏した後、フロリダ州経由でオクラホマ州フォートシルに移され、1909年に死亡した。