イスラエルのユダヤ人社会が揺れている。ユダヤ教の戒律を厳格に守る「超正統派」と、日常生活を重んじる「世俗派」の対立が深まっているからだ。超正統派は兵役が免除され、大半は就職もせず納税額も低い。このため、過剰な公的負担を強いられているとして世俗派が批判を強めている。超正統派の社会統合が進まなければ、中東屈指の質が高い経済や国防に悪影響を及ぼすとの懸念も出ている。
エルサレムのユダヤ人街は金曜の日没から丸24時間、商店が閉まって公共交通機関が止まり、人通りも途絶える。基本的に一切の労働が禁じられるユダヤ教の「安息日」だからだ。
「安息日は電気をつけたり消したりできない。料理や車の運転はできず、エレベーターや電話、コンピューターの使用も禁止だ」。超正統派のトメル・ベシェルさん(42)がエルサレムの自宅で話した。