NHK大河「青天を衝け」最終回 栄一の激走締め 徳川家康「いやぁ~寂しい限りだ」SNSでも惜しむ声

スポーツ報知
渋沢栄一(吉沢亮)を見舞う兼子(大島優子)

 俳優の吉沢亮が実業家の渋沢栄一を演じたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の最終回「青春はつづく」が26日放送され、2月14日からスタートした物語が41回で完結した。

 13歳から91歳までを演じた吉沢も、再婚相手・兼子(大島優子)もすっかり白髪姿に。ツイッターのトレンドに「老けメイク」がランクインするほどのリアルさだった。栄一は亡くなる間際も、手を握る兼子に「(自分が)死んだら教えてくれよ」と冗談を飛ばすなど、いつものまま(公式ツイッターによるとほぼ実話)。孫の渋沢敬三(笠松将)が語るテイストで栄一の最期の様子が描かれた。

 亡くなる3日前に残したメッセージも紹介された。「長い間お世話になりました。百歳までも生きて働きたいと思っておりましたが、今度こそは立ち上がれそうにもありません。これは病気のせいであり、私のせいではありません。死後も、私は皆さんの事業や健康をお守りしますので、どうか今後とも他人行儀にはしてくださらないようお願い申します」。まさに大往生だ。

 やはり最後まで残ったのは徳川家康(北大路欣也)だった。この日の放送では、初回の時と同じように冒頭に登場。「いやぁ~今日で終わりとは寂しい限りだ。もっともっとこの目で見ていたい」と残念がった。毎回ではないものの、コンスタントに出演。徳川家を時に叱咤激励し、ねぎらう。徳川幕府が結んだ安政の不平等条約については知らんぷり。文句なしに主要キャストで、番組躍進の立役者だった。

 ラストシーンは両親や妻の千代(橋本愛)、慶喜(草ナギ剛)らに呼びかけられ、カメラに向かって激走した。冒頭の北大路家康の「皆さんに感じていただきたいことがある。彼らの切り開いた道の先を歩んでいるのは、あなた方ということを…」という言葉を思い出す。だから栄一はこちら(視聴者)に向かって走ったのだ。

 SNSでは「明日から何を楽しみにすれば…」と寂しがる声が続出している。記者も今年から局担当になり、今作で始めた当コラム。10か月を総括する言葉がどうにも浮かんでこない…。これが“青天ロス”なのだと思う。(NHK担当・浦本将樹)

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