フィナテキストが60億円調達 証券子会社強化
金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックスタートアップのフィナテキスト(東京・千代田、林良太社長)は30日、KDDI(au)などから総額60億円を調達したと発表した。調達した資金は証券子会社のスマートプラス(東京・千代田)の資本増強やサービス開発などに充てる。
第三者割当増資を通じて、KDDIのほか、トヨタ自動車などが出資しスパークス・グループが運用する未来創生ファンド、ジャフコから資金を調達した。資本業務提携を結んだKDDIとは、スマートフォン(スマホ)アプリを活用した金融サービスの開発を進める。
2013年創業のフィナテキストは、株のコミュニティーアプリ「あすかぶ!」やFXアプリ「かるFX」などを展開しており、アプリの利用者数は200万人を超える。フィナテキストには日本経済新聞社も出資している。
フィナテキストが大和証券グループ本社と設立したスマートプラスは、18日からスマホアプリ「STREAM(ストリーム)」で株取引のサービスを始めた。交流サイト(SNS)の要素を持ち、投資家同士が特定の銘柄について情報交換しながら実際に取引できるのが特徴だ。フィナテキストの林良太社長は「早期に10万口座を目指す」と話す。
スマートプラスは株取引アプリにとどまらず、法人向けのサービスとして金融以外の事業会社も低コストで証券サービスを開発できる基本ソフト(OS)のようなシステム基盤を提供していく。