オーストリア石油最大手会長に前シーメンス社長
【フランクフルト=加藤貴行】中欧石油最大手のOMV(オーストリア)は18日、最高意思決定機関である監査役会の会長に独シーメンスのペーター・レッシャー前社長を選んだ。原油安の難局が続くなか、シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)に在籍し重電業界に明るいレッシャー氏を招き、執行を担う取締役会を支える。
レッシャー氏はオーストリア国籍を持ち、GEや米製薬大手メルクなどを経て、2007年にシーメンス社長に就任。13年夏には業績が同氏の計画のように伸びない責任を取る形で社長を事実上解任された。現在はスイスの機械大手スルザーの会長なども務める。
OMVは油田の掘削に使う機器を購入する側であり、レッシャー氏は取引でシーメンスに対峙する場面も出そうだ。