英グラクソ、シリアでの贈賄で告発受ける

[ロンドン 24日 ロイター] - 英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)がシリアで贈賄を行ったとして、関係者から告発されたことが分かった。告発者が同社のアンドルー・ウィッティー最高経営責任者(CEO)らに宛てた18日付の電子メールをロイターが入手した。
メールによると、グラクソは2010年、シリアにおける消費者向け医療事業に関連し、汚職関連法に違反して医者、歯科医、薬剤師、政府高官らに現金や講演料、旅行接待などの形で贈賄を行い、入札での勝利や事業上の不当な優遇措置を得ようとした。
グラクソは自社の従業員のほか、シリアにおける流通業者であるマートゥーク・グループを使って違法な支払いを行っていたという。
グラクソのシリア消費者向け医療事業には鎮痛剤パナドールや口腔ケア商品が含まれていたが、同国の内戦が激化したのに伴い、12年に閉鎖されている。
電子メールの送り主は、同じ情報を米司法省と米証券取引委員会(SEC)にも送るとしている。
グラクソは「わが社は倫理に反するいかなる行為も容赦しない。この電子メールのすべての主張について徹底的に調査する」との声明を出した。
グラクソは昨年7月に中国での贈賄事件が発覚したのを皮切りに、ポーランド、イラク、ヨルダン、レバノンでも小規模な贈賄疑惑が浮上。シリアは6カ国目となる。
英重大不正捜査局(SFO)はことし5月、グラクソの海外事業について刑事捜査に着手。米司法省も連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の疑いで同社を調査している。

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