川井梨紗子、石川県レスリング協会会長を告発 “暴言”と両親への“嫌がらせ”を訴え

スポーツ報知
石川県スポーツ特別賞贈呈式で県庁を訪れ、園児たちに囲まれる川井梨紗子

 レスリング女子57キロ級で東京五輪代表を決めている16年リオ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=が27日、金沢市で石川県スポーツ特別賞贈呈式に出席。終了後に同県レスリング協会・下池新悟会長の“暴言”と、長年にわたる両親への“嫌がらせ”を訴えた。これに対し下池会長は、スポーツ報知の取材に「事実無根の話だ」と川井の訴えを完全否定した。

 地元・石川県で、川井は「ずっと我慢していました」と苦渋の表情で県協会トップへのやり切れない思いを打ち明けた。

 川井によると、今月中旬に同県で行われた全国高校選抜北信越大会で、県協会の下池新悟会長が「石川県には五輪の内定者が2人(川井と62キロ級の妹・友香子)います。しかし、残念ながら女です」とあいさつしたという。会場には、県高体連専門委員長を務める父・孝人さんもいた。川井は「『女性だから』と言われるのも悲しいが、父がいる目の前で地元協会のトップの方がそういう発言をされた。身内が傷つけられるのが悲しくて。オリンピックに出ることが、祝福されていないのかなと思った」と訴えた。

 「今回だけの話じゃなくて、リオの時から親に対して嫌がらせみたいなことがされていた。耐えきれなかったですね」と川井は続けた。リオ出場の時は「壮行会も開いてくれなかった」という。また激励会では、会長が両親の前で「とびが鷹を生む」とあいさつしたり、母・初江さんが募金箱を持たされて激励会の費用などを集金したりしたこともあるという。初江さんはスポーツ報知の取材に、「残念ながら本当です。募金箱も持ちました」と話した。

 さらに川井は、下池会長の県協会の“私物化”も指摘。「母が教えているジュニアクラブの教え子を国体に出さないこともあった。(会長が)『気に入らない人はクビにする』などいろんな話も聞いている」と明かした。「来年は妹と2人で金メダルを持って(石川県に)来られるよう頑張りたい」と東京五輪での姉妹メダルを誓った川井。「協会を私物化しないでほしい。レスリングの強化のための協会であってほしい」と切望した。

 ◆川井 梨紗子(かわい・りさこ)1994年11月21日、石川・津幡町生まれ。25歳。89年世界選手権53キロ級7位の母・初江さんがコーチを務めるクラブでレスリングを始める。13年に至学館大へ進学し、4年時の16年リオ五輪で63キロ級金メダル。17年に卒業し、ジャパンビバレッジへ。今年6月の全日本選抜、7月のプレーオフで伊調馨に連勝し、世界選手権57キロ級代表に。同大会を制して東京五輪代表に選ばれた。妹の友香子(至学館大)は62キロ級の東京五輪代表。父の孝人さんもグレコローマンの元学生王者。160センチ。

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