ベラルーシへのミサイル落下認める ウクライナ

ウクライナのゼレンスキー大統領=ワシントン(AP)
ウクライナのゼレンスキー大統領=ワシントン(AP)

ロシアの同盟国ベラルーシの領内に29日午前、ウクライナの防空ミサイル「S300」が落下したと報じられた問題で、ウクライナ国防省は同日、「露軍のミサイル攻撃に対処した結果だ」とする声明を発表し、自軍のミサイルが迷走してベラルーシ領内に入ったことを事実上認めた。その上で「客観的な調査を行う用意がある」と表明した。

ベラルーシ国営ベルタ通信によると、ミサイルが落下したのは南西部ブレスト州。関係当局の調査により、ベラルーシの防空システムで撃墜されたものだと判明した。ベラルーシは外交ルートを通じウクライナに抗議、再発防止を求めた。

ウクライナは、ロシアがベラルーシをウクライナ侵略に参戦させるためにウクライナからの攻撃をでっちあげる「偽旗作戦」を用いる可能性があると警戒してきた。今回の問題でベラルーシが参戦する可能性は現時点で低いとみられる。

S300は旧ソ連製で、露軍・ウクライナ軍の双方が運用。露軍は29日午前、ウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃を行い、一部が電力インフラなどに着弾した。キーウ(キエフ)州当局は同日夕、25万人が電力供給を失ったと発表。南部オデッサ州でも45万人が電力供給を断たれた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は同日のビデオ声明で「ロシアはミサイル攻撃というテロ行為を続けることで自分自身を追いつめている」と指摘した。

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