冬眠前のクマに注意を! 大量出没の可能性低いものの…里山定着、エサ求めて活発化 

ツキノワグマ(兵庫県森林動物研究センター提供)
ツキノワグマ(兵庫県森林動物研究センター提供)

 冬眠前のクマが餌を求めて活動が活発化する時期を迎えた。福井県は出没対策会議で、堅果類(ドングリ)の調査結果を踏まえ「今秋はクマが里へ大量出没する可能性は高くない」との見通しを示したが、里山に定着し増えているとみられるクマが餌を求めて市街地に出てくる可能性があるとして注意を呼びかけている。一方、出没情報をメールマガジンで登録した県民らに配信する「出没情報収集配信システム」の本格運用を10月から始める。

 県によると、今年4~8月の出没件数は206件で、平成16年度以降2番目に出没が多かった前年同期の222件より減少している。8月10日~9月4日に実施した堅果類の調査ではブナ、ミズナラ、コナラはいずれも不作で、26年に比べて結実状況は悪くなく、クマが里に大量出没するほど奥山の餌資源が不足している状況ではないとみている。

 しかし、出没数は例年より多いため、クマの活動が活発化する9~11月に、出没情報に注意を払うとともに、集落へクマを引き寄せないよう集落内のクリやカキの管理、生ごみや農作物残渣の撤去などの対策が必要としている。

 出没情報収集配信システムでは、住民から寄せられたクマの目撃、痕跡などの情報を入力。県民がメールマガジンに登録すれば、出没情報(日時、場所、目撃時の状況など)をいち早く携帯端末などで受けられるようになる。また、各市町や県関係機関へメール配信し、情報を共有する。

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