上半期において2期連続で増収増益を達成

 2012年11月1日、コーエーテクモホールディングスの2013年3月期第2四半期決算説明会が開催された。決算説明会には、代表取締役社長の襟川陽一氏、専務執行役員CFOの浅野健二郎氏が出席。同社の2013年3月期第2四半期の業績と、今後の経営戦略が発表された。

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▲代表取締役社長の襟川陽一氏(左)、専務執行役員CFOの浅野健二郎氏(右)。

 決算説明会では、浅野氏が2013年3月期第2四半期の連結業績について説明。さらなる成長性と収益性という当期の経営方針のもと、事業の拡大とコストダウンを効果的に進めた結果、売上高は前年同期比0.7%増の137億2400万円、営業利益は8億9700万円(前年同期比26.0%増)となり、上半期において2期連続で増収増益を達成した。また、経常利益は12億2500万円(同42.1%増)、純利益は5億5400万円(同34.5%増)で、経営統合以来、上半期として最高の利益水準となった。

 各事業については、メディア・ライツ事業(『ネオロマンス』イベントなどが該当)のみが営業損失。『ネオロマンス』シリーズのソーシャルゲーム最新作『100万人の遙かなる時空の中で』のサービスを開始したことで売上が堅調に推移したが、第3四半期以降に発売を予定しているタイトルの開発費が先行して発生したことが影響し営業損失となるも、前年比で損失額は改善した。そのほかの事業はすべて増益となっており、ゲームソフト事業は、『デッド オア アライブ 5』など主力タイトルが好調に推移した一方、『真・三國無双6 Empires(エンパイアーズ)』の発売が下半期にずれ込んだ影響で、前年比は若干の減収となっているが、コストダウンの継続やガストが加わったことで営業利益は8億6900万円。オンライン・モバイル事業は、ソーシャルゲームの主力タイトルが堅調に推移するも、オンラインゲームの大型アップデートが前年に比べ上半期では少なかったことなどにより、営業利益2億2700万円となった。

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 そして、浅野氏は2013年3月期の業績予想を発表。さらなる増益を目指し、売上高390億円(前年同期比9.8%増)、営業利益70億円(同21.6%増)、経常利益83億円(同11.1%)、純利益50億円(同7.8%増)を見込んでいると語った。

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 続いて、襟川陽一氏は、経営方針と今後の事業展開を説明。さらなる成長性と収益性の実現するための施策として、“ナンバリングタイトルの伸長と新規タイトルへのチャレンジ”、“コラボレーションビジネスの拡充”、“新ハードへの取り組み”、“各事業における選択と集中を通じた収益最大化”、“新規ビジネス展開・シナジーの強化”、“さらなるコストダウン”の6つを挙げた。ここでは、そのなかから3つをピックアップ。まず、“ナンバリングタイトルの伸長と新規タイトルへのチャレンジ”については、『デッド オア アライブ』、『真・三國無双』を始めとした有力IPのナンバリングをさらに伸ばすことで成長性の実現を図ることに加え、『討鬼伝』や『下天の華』などの新規タイトルの開発も積極的にチャレンジしていくという。つぎに、“コラボレーションビジネスの拡充”については、『真・北斗無双』、『YAIBA: NINJA GAIDEN Z』を例に挙げ、「今後も皆さんがあっと驚くようなコラボレーションを実現していく」と説明した。そして、“新ハードへの取り組み”については、新ハードのローンチ時を新たなビジネスチャンスとして捉え、Wii Uやプレイステーション Vitaで積極的に展開していくとのこと。

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 その後の質疑応答では、任天堂の新ハードWii Uに関する話題が中心に。Wii Uについてのビジネス展開について襟川氏は、「じわじわと積み重ねていく任天堂さんの販売方針に我々も合わせた形で、今後もWii U向けのタイトル、マーケティングを進めて、長期間でじっくりと販売していきたい」と語る。さらに、「将来の新しい遊びを発想しやすいハード」とWii Uへの期待の高さを示すと、「今後はWii Uオリジナルタイトルを制作することがキーポイントになる」とコメントした。

 また、襟川氏はガストに関しても言及。プレイステーション Vita用ソフト『シェルノサージュ ~失われた星へ 捧ぐ詩~』の不具合についてユーザーへのお詫びの言葉を述べた上で、「ガストでは初めてのオンラインタイトルということで、サーバーでゲームを演出していくことに対する不慣れ」が原因と話した。これについては、これまでコーエーテクモがオンラインゲームで培ってきたノウハウを利用して、サーバーのプログラムに関する支援を進めているという。また、「今後のガストタイトルはすべて当社のゲームエンジンを使用して開発していき、効率化、高品質化を実現していく」ことを明かした。