【ソウル=小池和樹】中国・杭州などで開催中のアジア大会で、北朝鮮選手らが韓国選手との記念撮影や握手を拒否し、敵対姿勢を明確にしている。
杭州アジア大会で射撃男子の表彰台に上る韓国チーム(右)と北朝鮮チーム(9月25日)=ロイター杭州アジア大会で射撃男子の表彰台に上る韓国チーム(右)と北朝鮮チーム(9月25日)=ロイターロイター通信などによると、射撃競技では韓国チームが優勝し、北朝鮮チームは準優勝で共に表彰台に上ったが、韓国国歌が流れている間、北朝鮮選手らは韓国国旗に背を向け、恒例の記念撮影を拒否。韓国選手が話しかけようとしても目を向けなかった。柔道でも、敗れた韓国選手が北朝鮮選手に握手を求めたが、北朝鮮選手は無視してそのまま退場したという。
北朝鮮メディアはアジア大会で、露骨に韓国を敵視した報道をしている。今月1日の朝鮮中央通信は、前日に行われたサッカー女子準々決勝での韓国戦で「我が国チームは 傀儡(かいらい) チームを4―1という圧倒的な点数差で下した」と、韓国を非難する「傀儡」という表現を使った。
前回2018年大会は 文在寅(ムンジェイン) 前政権が南北関係改善を進める中で行われ、合同チーム結成やそろいのジャケットを着て開会式に入場したことが話題となった。今大会の対応は韓国の 尹錫悦(ユンソンニョル) 政権の厳しい対北政策への反発もあるとみられる。