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国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、接種予約をかたった偽のメッセージが携帯電話に送りつけられ、アクセスすると個人情報が盗み取られるフィッシングが横行していることが分かった。ネット予約に不慣れな高齢者を狙っているとみられ、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)や国民生活センターが注意を呼びかけている。
偽サイトへ誘導
「新型コロナウイルス予防ワクチン無料予約受付中です、アプリインストールしてください」
これは、5月末以降、全国各地でスマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)に届いた文面だ。
情報セキュリティー会社トレンドマイクロによると、文面にあるURL(ネット上の住所)をクリックすると、アップルのiPhoneの場合は、アップルIDやパスワードを入力させる画面に移動する。グーグルの基本ソフトの場合も、不正なアプリをインストールするよう誘導されたり、NTTドコモを装った偽サイトに飛んだりする。この作業の途中でスマホ内に保存されている電話番号やIDなどの情報が知らない間に抜き取られる仕組みになっているという。トレンドマイクロ社は、使われているコンピューターウイルスの型などから、2019年10月頃から活動する詐欺グループによるフィッシングだと分析している。
一般財団法人「日本サイバー犯罪対策センター」(東京)によると、「ワクチン接種が殺到しておりますので、早めにアプリにてご予約ください」とのSMSも見つかっている。これも、クリックすると、全く関係のないアプリがダウンロードされ、個人情報が抜き取られる可能性がある。同センターの経済・金融犯罪対策チームリーダーの大野克巳さんは「詐欺グループはネットでの接種予約に困っている高齢者を狙っている。とにかくクリックをしないことが一番だが、もし、誤ってクリックした場合は、早急にパスワードを変更するなどしてほしい」と話す。