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年末年始特集

個室ビデオ店火災 15人死亡、放火の疑い 大阪・難波

2008年10月1日

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写真雑居ビルの個室ビデオ店で発生した火災で、多くの死傷者が出た現場=1日午前3時39分、大阪市浪速区

 1日午前3時ごろ、大阪市浪速区難波中3丁目の7階建て雑居ビル「檜(ひのき)ビル」1階にある個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」付近から出火。大阪市消防局によると、店舗約220平方メートルのうち約40平方メートルが燃え、午前10時半現在で利用客の男性15人が死亡、女性1人を含む約10人が負傷し、うち1人が重体、2人が重傷という。火元とみられる部屋の利用者の大阪府内の40代の無職の男が放火をほのめかす供述を始めたとして、大阪府警は現住建造物等放火の疑いで、この男の逮捕状を請求。今後殺人容疑も視野に調べを進める。

 府警捜査本部などによると、店内には個室の試写室が全部で32室あり、各室は2平方メートルほどで、簡易ベッドとテレビ、DVDデッキがある。

 避難した人の証言などから、捜査本部は大阪府内の40代の男が利用していた個室が火元との見方を強め、事情を聴いていた。男は負傷しておらず、「室内でたばこを吸っていた」「出火時は室内で寝ていた」と捜査本部に説明していた。しかしその後の事情聴取に放火を認める供述をしたという。男が利用した個室は店の中央部分にある。

 亡くなった人の大半はやけどの程度が軽いことから、捜査本部は一酸化炭素(CO)中毒で死亡したとみている。捜査本部によると、亡くなった人のうち、運転免許証などを所持していたのは半数以下で、身元確認には時間がかかる見通し。けが人は32〜77歳の男性9人と51歳の女性で、女性は利用客ではないという。当時店内には、店長と従業員の計3人、客は26人いたとの情報がある。

 大阪市消防局は、昨年5月に同ビルを立ち入り検査し、「個室につき1個、自動火災報知機がついていたことを確認している」としている。

(2008年10月1日 朝日新聞夕刊)


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