押し切れず3敗目 貴景勝、遠のく綱 大相撲春場所

御嶽海に敗れ、悔しそうな表情で花道を引き揚げる貴景勝=エディオンアリーナ大阪
御嶽海に敗れ、悔しそうな表情で花道を引き揚げる貴景勝=エディオンアリーナ大阪

押しても押し切れず、最後は力なく土俵を割った。大相撲春場所6日目、大関貴景勝は平幕の御嶽海に敗れて3敗目。優勝と、その先の綱取りは限りなく遠のいた。

3日目に左膝を痛めた影響で、下からの力を相手に伝えられていない。立ち合いの当たりをしのがれてしまうと、あとは足が出ず、腕だけで押すような相撲になってしまった。

低い攻めを志向する貴景勝にとって、下半身は特に重視してきた部位だ。「膝をけがして下半身の筋肉が落ちたときは相撲が取れなかったけど、大胸筋をけがしても下半身は元気で相撲を取れた。その時、下半身の大切さは身に染みて分かった」と、今場所前に語っていたほどである。

同じ二所ノ関一門の芝田山親方(元横綱大乃国)も「貴景勝は、動きを止めてはいけない押し相撲。四つ相撲なら体勢が悪くても我慢して、じわじわ自分の形に持っていくことができるのだが…」と指摘する。

場所は、まだ中盤戦に入ったばかり。けがを悪化させずに白星を積み上げていくことは簡単ではないだろう。

この日も大関はオンライン取材に姿を見せなかった。(宝田将志)

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