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若い女性に性的暴行を加え、売春をしないことを誓う「始末書」と題した書面を書かせたとして、広島県警に逮捕された中国四国管区警察学校指導部長(警視正)・岩本幸一容疑者(58)の関係先から、他に始末書とみられる複数枚の書面が押収されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。書面には複数の女性の署名があり、県警は他にも被害者がいる可能性があるとみている。
岩本容疑者は広島市内で9月、マッチングアプリで知り合った20歳代の女性に対し、「実は警察官だ。これは犯罪になる」と脅して性的暴行を加え、始末書を書かせたなどとして7日、不同意性交と強要の両容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、同様に別の女性らに書かせたとみられる書面が複数枚見つかった。スマホにはマッチングアプリで複数の女性と知り合っていた形跡があったといい、県警は経緯を捜査している。
岩本容疑者は逮捕時、「(被害者の)女性と会ったが、性交や強要はしていない」と容疑を否認。捜査関係者によると、その後、この女性に会った理由について「売春を取り締まる個人的な捜査のためだった」などと供述したというが、岩本容疑者には職務上の捜査権はなく、県警は、供述に矛盾点があるとみている。
中国四国管区警察局によると、岩本容疑者は岡山県警出身で県警生活安全企画課長などを歴任。現在は同管区に出向して警察官の教養や訓練を担当し、職務上の捜査権限はないが、岩本容疑者は、上着の下に着ていた階級章付きの制服を女性に示して信用させていたという。社会的立場に基づく影響力を使い、女性を逆らえない状態にしたとみられ、広島県警は不同意性交罪に当たると判断している。
警視正は、警視総監、警視監、警視長に次ぐ階級。都道府県警の職員のうち、警視正以上は原則、国家公務員で、大規模警察署の署長や本部の部長などを務める。