河井氏陣営に1億5千万円、自民に異論続出
執行部に説明要求
自民党内で30日、2019年7月の参院選で党本部が河井案里参院議員の陣営に計1億5千万円を振り込んだことを巡り、執行部の説明責任を求める声が相次いだ。
竹下亘氏は同日、河井氏と同じ広島選挙区に党公認で出馬して落選した溝手顕正氏の陣営への入金が1500万円だったことに関して「正直言ってびっくりした。2~3倍のケースはあったが10倍は初めて見た。(執行部に)説明してほしい気持ちはよくわかる」と述べた。都内で記者団に語った。
石破茂元幹事長は派閥総会で「党員が払う党費や(税金を使った)公的助成金で党は運営されている。執行部は党員や国民に説明責任を果たさなければならない」と指摘した。
溝手氏が所属していた岸田派の総会では、宮沢洋一元経済産業相が28日の党総務会で「理由を説明してほしい」と求めたことが紹介された。他の総務会メンバーから同調する発言が出たとの説明もあった。同派からは「もともと2議席独占を狙うという説明だった。片方に10倍支援するのはおかしい」との声があがっている。
説明を求められている立場の執行部の一部からも異論が出ている。鈴木俊一総務会長は28日の総務会後の記者会見で、1億5千万円の支援について「自分自身と比べれば破格という感じだ」と述べた。岸田文雄政調会長は27日の記者会見で「様々な判断があっただろうと想像する。党のしかるべき部署に聞くべきことではないか」と話した。
首相は29日の参院予算委員会で「個別には承知していない。報告は受けていない」と関与を否定した。二階俊博幹事長は27日の記者会見で「問題ない。最終責任は幹事長にある」と語った。