露鵬と白露山から大麻反応　警視庁が聴取　両力士は否定

　元幕内力士の大麻事件を受けて日本相撲協会が２日、十両以上の力士を対象に抜き打ちで尿検査をしたところ、西前頭３枚目の露鵬（２８）＝大嶽部屋＝と東十両６枚目の白露山（２６）＝北の湖部屋＝が大麻の陽性反応を示した。相撲協会は警視庁に通報し、警視庁は両力士から任意で事情を聴いた。また、大麻取締法違反（所持）容疑で両力士の所属部屋と自宅の計３カ所を家宅捜索した。

　両力士はともにロシア出身で実の兄弟。相撲協会や警視庁の事情聴取に、「身に覚えがない」などと薬物の使用を否定している。捜索で、大麻や吸引具などは見つからず、押収物はなかったという。

　検査は、幕内力士だった元若ノ鵬のガグロエフ・ソスラン容疑者（２０）＝ロシア出身＝が８月１８日に大麻取締法違反（所持）の疑いで警視庁に逮捕された事件を受けて行われた。

　ドーピング問題に詳しい大西祥平・慶大スポーツ医学研究センター副所長が担当し、大麻成分と覚せい剤成分二つの計三つの薬物について簡易検査を実施。露鵬と白露山は大麻の陽性反応が出た。

　露鵬は３回、白露山は２回、簡易検査を受けたが、いずれも陽性だった。大西副所長によれば、簡易検査では使用後２〜３日以内の大麻を検出するという。相撲協会は、簡易検査では誤った結果が出る可能性があり、さらに詳しい検査をするため尿の採取を行った。結果が判明するには検査機関に出して４８時間はかかるという。

　警視庁によると、２日午後８時ごろから約３時間にわたり霞が関の同庁本部で参考人として事情聴取した。両力士は同庁の調べにも使用を否定。同庁は独自の尿検査は行わず、相撲協会による本鑑定の結果を待つとしている。

　ガグロエフ容疑者の大麻所持容疑事件に絡み、警視庁は８月中旬、白露山から参考人として事情を聴いたが、「（ガグロエフ容疑者の）家には行ったが、大麻については知らない」と話したという。

　捜査関係者によると、露鵬、白露山とガグロエフ容疑者は公私ともに親しく、東京・錦糸町のロシアンパブや六本木のディスコで一緒にいる姿が度々目撃されていたという。

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　露鵬　本名ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソビッチ。ロシア・ウラジカフカス市出身。０２年夏場所初土俵。０４年初場所新十両、同年秋場所新入幕。最高位は小結。初土俵からの成績は２６７勝１９８敗１８休。１９５センチ、１４６キロ。

　白露山　本名ボラーゾフ・バトラズ・フェーリクソビッチ。ロシア・ウラジカフカス市出身。０２年夏場所初土俵。０４年秋場所新十両、０５年名古屋場所新入幕。最高位は前頭２枚目。初土俵からの成績は２３３勝２１８敗。１８８センチ、１３７キロ。