尾車親方が解説 頭から当たる貴景勝に感じる“昭和の匂い”

霧馬山(左)を攻める貴景勝。突き落としで下した(カメラ・豊田 秀一)
霧馬山(左)を攻める貴景勝。突き落としで下した(カメラ・豊田 秀一)

◆大相撲九州場所3日目 〇貴景勝(突き落とし)霧馬山●(16日、福岡国際センター)

 貴景勝にリズムが戻ってきた。立ち合いは頭で当たって突き離し、回転のいい突っ張りで霧馬山の上体を起こした。出てきたところを左からの突き落とし。先場所は首の状態が悪く初日から3連敗したが、今場所は思い切り頭で当たれるようになった。これがリズムを作り出している。

 首は完治することはない。不安との闘いでもある。それでも貴景勝は頭から当たる。大関としての責任もあるのだろう。“昭和の匂い”を感じさせる精神的な強さが貴景勝の持ち味だ。

 余談だが、私も現役時代、何度も首に“電気”が走った。師匠(先代の佐渡ケ嶽親方=元横綱・琴桜)に相談すると「“自家発電”が出来て良かったな」と言われた。恐らく不安にさせないための言葉だったのだろう。現在は医学も発達、貴景勝も懸命なリハビリを続けたのだろう。番付の世界で打倒・照ノ富士の一番手が大関というのもうれしい限りだ。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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