神戸市立神戸アイセンター病院などのチームは15日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った視細胞のシートを目の難病患者2人に移植した臨床研究について、移植後1年間の経過観察で異常はなく、安全性が確認されたと明らかにした。
取材に応じたチームの栗本康夫院長は「治療に向け、最初の大きな一歩を踏み出せた」と話した。うち1人については視機能の改善も確認されたといい、「想定以上の成果だ」とした。今後は効果の検証や手法の改良を進めるという。
チームによると、移植は2020年から21年にかけて実施。対象は視野が狭くなったり視力が低下したりする網膜色素変性症の60代女性と40代男性の患者計2人で、目の網膜で明るさや色を感知する視細胞のシートをiPS細胞から作って移植した。